先日予告したとおり、論文の書き方の手順をまとめてみたら、どこかの教科書に載っているような内容になりました。。が、何回かに分けて書き出してみます。
1.論文は「氷山の一角」
論文に書かれていることは著者が経たプロセスのほんの一部に過ぎず、その裏には膨大な量の文献、分析、思考錯誤が行われている。あらかじめ相当な知識がある場合(この道何十年という専門家など)や、絞られた特定の枠組みの中で書く場合を除いて、論文執筆には近道はない。イースト・アングリア大学のJ先生の言葉を借りると、論文を書くことは、迷路の中で出口に通じる糸をつかんでいると信じながら進んでいくこと。
2.理論と事象
学術論文には、①理論(theory)と、②事象(empirical issue)(あるいは事例(case)と呼ばれるもの)が入っている。論文を書く場合、理論から入るか、特定の事象から入るかという違いがある。授業で課される論文の場合、理論や質問(research question)がいくつか決められていて、その中から選んで、あてはまる事例を探すことも多い。ただし、修士論文のように、理論・事象ともに全くの自由という場合もある。この場合、分析したい社会問題(=事象)から始める場合の方が多い(クラスメイトの修士論文の中間発表を聞く限り)。
3.理論枠組み
事象から始める場合、それを分析するための理論枠組み(theoretical framework)を見つける必要がある。最初に事象のどういう側面(angle)に着目するかを決めて、文献を読んだり、先生のアドバイスをもらったりしながら、理論枠組みを絞っていく。
2 件のコメント:
事象を追っていくうちに、さまざまな側面があることがわかり、泥沼に陥り・・・当初考えていた理論の枠組みなんぞに収まらず、自分は一体、何を言いたいのか(=出口が見えず)わからなくなって途方に暮れる。「論文執筆には近道はない。」本当にその通りだと思います。論文の書き方②を楽しみにしています。
sugiharaさん、コメント有難うございます。事象を追っていくと仰るようにいろいろな側面が出てきますね。私も最近書いた論文にいろいろな側面を取り込んだら、先生から、3つの視点が入っているけど、全体のmain argumentが不明瞭とのコメントをもらいました。難しいです。書き方②も近いうちに投稿いたします。
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