2013年3月4日月曜日

扉と鍵

明後日、ロンドン大学で研究発表するので、最近はその準備をしています。その一環でタンザニア調査中のノートを読み返していて、スワヒリ語のことわざを見つけました。「すべての扉には、それぞれ合う鍵がある(Kila mlango kwa ufunguo wake)(英訳すると、Every door has its own key)」。

それぞれの問題には、それぞれの解決方法があるという意味で使うようです。私は調査中、これをインタビューにあてはめて、インタビュー相手から欲しい情報や本音を聞き出すためには、それぞれのインタビュー相手に合う鍵(アプローチの仕方や質問の内容、順番など)があると考えていました。特にエリート・インタビューを行う場合は、これがエッセンスだと思っていました。

実際、インタビュー相手から信頼されて、扉を開くようなインタビューを行うことができたこともありました。「あなただけに言うけれど(between you and me)」という前置きの後に、他の人に言わないような本音が聞けたときなどです。逆に、いろいろな鍵を試してみても、扉が開かなかったインタビューもありました。

今見ても、このことわざ、いいですね。問題解決という意味でも、人生の扉の鍵と考えてもいいですしね。でも、私にとっては人との関係という意味が一番しっくりくるような気がします。インタビューだけではなく、周りの人たち一人一人を大切にすることを思い出させてくれる言葉です。

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