2010年6月25日金曜日

手書き

私が尊敬するデザイナーのヨーガン・レールさんは著書の中で、手仕事の速度が、理想とする速度だとおっしゃっています。手で作業する速度が自然の速度であって、手仕事による環境破壊は自然の自己回復力の中におさまるけれど、機械生産の速度による環境破壊は自然の均衡を崩して、回復できなくなるのではないかと。

そこで私も手書きの速度が、思考する上での理想の速度なのではないかと思い、今日から勉強する際にパソコンに向かってタイプするのではなく、紙に書いて考えることにしました。以前から論文の構想を練るときは、ノートにいろいろなアイディアを書きながら考えていますが、ここ数日、片面プリントアウトして要らなくなった紙がたくさん出てきたので、今日は大学のカフェで、その紙の裏に読んでいる本の要点やコメント、図などを書いたりしてみました。

パソコンの方が早く文章が書けますし、紙に書いた場合、あとで大事なところをパソコンでタイプしなおすので、二度手間になりますが、やっぱり手書きの方が、読んでいる文章がしっかり理解できて、それに対して自分がどう考えているのか確認しながら進められる気がします。矢印や絵や図も思いついたらすぐ書けますし。手が疲れて字が荒くなってきた頃には、きっと脳も疲れているだろうから、ひとやすみ。パソコンでタイプしていると、脳が疲れても気づきにくいので・・。それに、自分の字が好きなのでよかったです。子どもの頃にペン習字を習わせてくれた(当時はいやいや練習していたような気がするけど)母に感謝。

2 件のコメント:

芥川シン さんのコメント...

僕もそう思います。

パソコンで打つ速度は、書く速度をかなり速めています。・・いや、これを書いているというのだろうか?

作られてゆく文字の速度が手で書く速度よりも圧倒的に速く、手で実際に書いてみたりすると、そのふたつの差に大きなものを感じます。

どちらが良いとか悪いとか、そういったものは好みだと思うのですが、打つことによって作られる文字は手で書くものとは違うものだと認識し、経験し、考え、思うことこそが、文字を知り、文字を良く使う足がかりにつながるよう思います。

Machiko さんのコメント...

芥川さん、こんにちは。コメントどうもありがとう。私の方は今作っている研究概要(Research Outline)の構想段階を終えて、細かいところを書き加えたり、修正したりする段階に入ったので、最近はまたパソコンでの作業中心です。プリントアウトして手書きで作業したりもするけど。来週金曜締め切りなので、それまであと少しがんばります。。