2013年3月28日木曜日

発表

今月は、タンザニア研究者ネットワーク英国開発学勉強会(IDDP)で発表する機会がありました。それぞれ発表時間は1時間で、どちらも新しくパワーポイントを作ったので準備に時間がかかりましたが、とても貴重な経験になりました。研究については、これまでダルエスサラーム大学エジンバラ大学IDS、今回のタンザニア研究者ネットワークで発表してきたので、だいぶ発表することに慣れました。何事も経験を積むことが大事ですね。
 
IDDPの勉強会はイギリスの主に修士課程に留学している日本人が対象です。私の研究だけだとマニアックなので、もう少しテーマを広げて、IDSのガバナンスと開発学修士課程の授業のような感じの内容にしてみました。アカウンタビリティの観点から、開発援助とタンザニア政治と課税について考えるということで、3つのトピックを取り上げたので、それぞれ浅くなってしまいましたが、アカウンタビリティ入門という目的は果たせたかなと思います。

指導教官からは「発表はもう十分経験を積んだから、論文に集中しなさい」と言われています。実際、博士論文は当初の予定よりだいぶ遅れているので、これからは論文執筆に集中しないといけません。今日スケジュールを見直しましたが、4月は勝負の月になりそうです。どうかいいブレイクスルーがありますように・・。

写真は、今月中旬に雪が降ったとき、一緒に住んでいるGが近所のクイーンズ・パーク(Queens Park)で撮ったものです。先週土曜のIDDP勉強会のときも雪が降りましたし、イギリスはまだまだ冬なのです。

2013年3月4日月曜日

扉と鍵

明後日、ロンドン大学で研究発表するので、最近はその準備をしています。その一環でタンザニア調査中のノートを読み返していて、スワヒリ語のことわざを見つけました。「すべての扉には、それぞれ合う鍵がある(Kila mlango kwa ufunguo wake)(英訳すると、Every door has its own key)」。

それぞれの問題には、それぞれの解決方法があるという意味で使うようです。私は調査中、これをインタビューにあてはめて、インタビュー相手から欲しい情報や本音を聞き出すためには、それぞれのインタビュー相手に合う鍵(アプローチの仕方や質問の内容、順番など)があると考えていました。特にエリート・インタビューを行う場合は、これがエッセンスだと思っていました。

実際、インタビュー相手から信頼されて、扉を開くようなインタビューを行うことができたこともありました。「あなただけに言うけれど(between you and me)」という前置きの後に、他の人に言わないような本音が聞けたときなどです。逆に、いろいろな鍵を試してみても、扉が開かなかったインタビューもありました。

今見ても、このことわざ、いいですね。問題解決という意味でも、人生の扉の鍵と考えてもいいですしね。でも、私にとっては人との関係という意味が一番しっくりくるような気がします。インタビューだけではなく、周りの人たち一人一人を大切にすることを思い出させてくれる言葉です。