2012年12月14日金曜日

スワヒリ語

今年3月にブライトンに戻ってきてからも、タンザニア人留学生と週一回スワヒリ語のマンツーマンレッスンを続けていました。その先生が9月に修士課程を終えてタンザニアに戻った後、別の先生がすぐに見つからず、研究発表が近づいて忙しくなったので、3か月くらいスワヒリ語をほとんど話さずに過ごしました。発表が終わった後、知り合いのタンザニア人の博士課程の学生Rが12月中旬までブライトンにいるということで、お願いして、先週と今週2回会うことができました。

2回目のクラスでは、事前にスワヒリ語の新聞記事がメールで送られてきて、記事が私の研究にどう関係しているか話してもらうので準備してください、という宿題が出ました。Rは私の先日の研究発表にも来てくれたので、私の研究テーマを知っていて、それに関連する記事を選んでくれたので、まさにぴったりの課題でした。

最初に記事の概要を話して、自分の研究に関連付けながら記事の感想を述べて、新しい単語を使って例文を作って・・・という流れでした。最後に習ったことをおさらいするために記事の概要をもう一度説明して、と言われた時には、難しくてできないと駄々をこねましたが、Rに励まされて何とかこなしました。

Rはまもなく調査のためにタンザニアに行くので、また別の友人にスワヒリ語クラスをお願いする予定です。スワヒリ語は研究のために必要というだけではなく、私の一部になっていて、タンザニア人とスワヒリ語で話すと何だかほっとします。ということで、これからも細々とでも続けていきたいと思います。

2012年12月10日月曜日

発表

先週月曜、私の所属する開発学研究所(IDS)で研究発表をしました。IDSの博士課程では、2回発表を行うことになっていて、1回目が1年目に行う研究概要の発表(Research Outline Seminar: ROS)、2回目が研究の進捗状況の発表(Work-in-Progress Seminar: WIP)で、WIPは基本的に3年目の終わりまでに行わなければいけません。私は今月で3年目が終わるので、4年目に移行する前にこの発表をしました。

今回も2年前のROSと同じように、ガバナンス・チームの先生方が来てくださって、博士課程の友人たちも来てくれて、いろいろなコメントをもらって、有意義な時間になりました。その日の夜にガバナンスの修士課程の学生の歓迎会があって、私も参加したのですが、そこでも先生方とおしゃべりしながら、さらにコメントをもらいました。研究テーマを面白いと言ってくれて、一緒に考えてくれること(私の中ではengageという英語がぴったりなのですが)は本当に嬉しいことです。

発表後に自分の机に戻ったら、おめでとうのメッセージとクロワッサンが置いてありました。私が発表用の論文の仕上げで煮詰まって、息抜きにキャンパス内のスーパーに行ったとき、一緒に来てくれた友達がいて、そのときに私が「たまに食べると元気が出るんだよね」と言ってクロワッサンを買ったのを覚えていて、カフェのクロワッサン(スーパーのではなく)を買ってきてくれたのでした。WIP後のごほうび、おいしくいただきました。

WIPが終わって一息つきましたが、締め切りのある課題があと2つ。クリスマスと年末が近づいてきて、のんびりしたいところですが・・、あと少しがんばろう!

2012年11月11日日曜日

プルーフリーディング

留学生の間で「誰かいいプルーフリーダー知らない?」という質問が出てくることがあります。プルーフリーディング(proofreading)は文章の校正のことで、英語の論文を書いたときに、文法や綴りの間違いがないかチェックをしてもらうことです。

私は最近はブライトンに住んでいるエディターのDavid Butcherさんに見てもらっています。メールの返信が早く、約束した締め切りを守ってくれて、細かいところも見逃さず、より適切な表現を提案してもらえるので勉強になります。以前はロンドンの大学院生に見てもらっていて、その人もとても良かったのですが、Davidはさらにチェックが細かくて、プロフェッショナルな感じです。

毎回真っ赤になって返ってきますが、修正点をそのまま採用するのではなく、ひとつひとつ確認していきます。なかにはノンネイティブなりにこだわって選んだ言葉や、政治学ならではの表現などもあるので、自分でgoogleを使ったり文献を見たりして調べて、元の言葉に直すことも多々あります。覚えておいた方がいい文法の間違いは、単語帳(気が向いたときに知らない単語や論文で良く使われる単語などをエクセルにまとめています)に書いておきます。普段、英語の間違いを指摘してもらう機会がほとんどないので、プルーフリーディングは英語を学べる良い機会です。

2012年11月3日土曜日

フェイスフルフレンズ

昨日、大学のダンスサークルで一緒だった友達Sonocoとロンドンでディナーをしました。Sonocoは横浜の日吉でドッグホテル・トリミングサロン、フェイスフルフレンズ(faithful friendsを営んでいます。

以前から、11月にロンドンに研修のために行くと聞いていて(Sonocoはロンドンのトリミングサロンに勤めていたことがあるのです)、ブログも読んでいて、会うのを楽しみにしていました。ホテルの話を聞いたり、写真を見せてもらったり、友達や家族の話などをして、Sonocoの考え方に共感するところがたくさんあって、元気をもらいました。今朝、一緒に住んでいるGに、昨日は友達に会えてほんとによかったよ、と話したら、自分のルーツがわかるでしょ?と言われて、そうそうルーツだと思いました。しばらく会わない時期があったとしても、こうしてまた会って、過去と今までをつなげて分かち合える友達がいるのって本当にありがたいなぁと思います。
 
ちなみに、大学のサークルで踊っていた頃、Sonocoが作った曲に出たのですが、飛び込み前転の振りつけがあって、たくさん練習させられました(笑)。ステージの上ででんぐり返しをするなんて、今の私にはとても無理なのですが。でんぐり返しはともかくあの曲は踊っていて気持ちよかったなぁ。Sonocoが曲を作っていた頃の話も出てきて、思い出しました。

犬を飼っている方は、よかったらぜひフェイスフルフレンズに行ってみてください。私も次回帰国するときはぜひ訪問したいです。ウェブサイトを見ていただくとわかると思いますが、ホテルの雰囲気がよくて、Sonocoが犬と飼い主さんに心をこめて接しています。私も泊まりたいくらいですが、人は泊まれないらしいです(一応、聞いてみました・・)。

2012年10月17日水曜日

トライアングル

ここ数年、日本とイギリスとタンザニアの間を行ったり来たりする生活を送ってきました。東京に家族がいて、ブライトンとダルエスサラームでも下宿やホームステイをして、そこに住む人たちと家族のように一緒に生活をしてきたので、それぞれの土地に馴染むことになりました。このことはとても有難いことなのですが、馴染んだ分だけ、移動先の生活(気候、言語、文化、価値観など)に慣れるのに時間がかかりました。移動する前にいた場所の自分を維持したい、新しい場所に慣れたくないという無意識の抵抗もあったのだと思います。

移動した先に慣れるまでのふわふわとした時期を、私の指導教官は、文化的な時差ぼけ(cultural jet lag)と呼んでいました。昨年4月にタンザニアでの1回目の現地調査を終えてブライトンに帰ってきた時の文化的な時差ぼけは長く深くて、自分がどこに属しているのかわからない感覚がしばらく続きました。早くタンザニアに帰りたいといつも思っていました。その後、日本に一時帰国した際にもまた文化的な時差ぼけを感じました。

2か所・2言語の間でバランスととるより、3か所・3言語の間でバランスをとる方が難しいのです。誰かと話をするときに3分の1の自分しか見せていないような気がしたり、今自分がいない2つの国の自分が失われていくような気がしたり。そんなことを経験しながら、昨年の夏、3つの国を行ったり来たりしながら、その上でバランスを取っている自分自身の在り方に、トライアングル・アイデンティティと名前を付けました。移動するたびに文化的な時差ぼけを感じながら、3つの場所で、違う言語で話して、それなりに根を下ろして暮らしつつ、どこにも完全に入りきることは(でき)ないとひらきなおったのです。その後は、自分がその時にいる場所や会う人たちとどこか違う、ずれていると感じても、まぁ私はトライアングルだから仕方がないと思うようになりました。
 
ちなみに、今年3月にタンザニアでの2回目の調査を終えてブライトンに帰ってきて、その翌月に日本に一時帰国したときは、それほど文化的な時差ぼけは感じませんでした。ひらきなおりの効果もあり?、2度目の3か国間の移動なので慣れてきたようです。トライアングルもだんだん落ち着いてくるのかもしれません。そして、ブライトンでは私の周りは外国人が多くて、完全なイギリス人だけの環境というわけではないので、比較的バランスがとりやすく居心地がいいのだと思います。

2012年9月24日月曜日

IDS修士課程

ご無沙汰しております。前回書いてから1か月以上経ってしまいました。

私が所属する開発学研究所(IDS)の修士課程のプロモーションビデオ「Studying at the Institute of Development Studies」が公開されましたので、ご紹介します。開発学修士課程(MA Development)の学生と、ガバナンスと開発修士課程(MA Governance and Development)の学生2人が話していて、ロバート・チェンバース先生もコメントしています。私が毎日時間を過ごしている大学のキャンパス、IDS、ブライトンの街の様子を見ていただけたらと思います。サセックス大学やIDSに以前いらっしゃった方にとっては懐かしい映像になっていると思います。ただし、このビデオではとっても気候がよさそうですが、これは短い夏の間だけです。ブライトンは夏が終わって寒くなってきています。先日は夜に大学から帰ってくるときに寒くて、ジーンズをはいていた足が冷たくなってしまいました。日が落ちるのも早くなってきています。

IDSでは、先週から新年度が始まって、新しい修士・博士課程の学生が来ています。これまでIDSの修士課程は3学期制で、9月下旬から新年度が始まっていたのですが、今年度から2学期制に変更になり、それに伴って、年度の開始が9月中旬に早まりました。今月初旬に修士課程の学生さんたちが修士論文を提出したなぁと思ったら、もう次の学生さんたちが来ていて、急に時間の流れが早くなったような気がします。

2012年8月4日土曜日

ソフトウェア

暑中お見舞い申し上げます。ロンドン・オリンピック開催中ですね。私もインターネットで開会式を見て、毎度のことながら各国選手の入場で感動しました。今日、日本がスペインに勝ったサッカーの試合を見に行った方からお話を伺ったら、私もせっかくロンドンの近くにいるのだから、記念に一回くらい見に行けばよかったなと思いました。

さて、私は前回書いたとおり、エセックス大学のサマースクールで統計ソフトのスタータ(STATA)の使い方を習ってきましたが、他にも学術研究者の間ではいろいろなソフトウェアが使われています。私が今使っているのは、エンドノート(EndNote)という参考文献を管理したり、自動的に参考文献リストを作成したりするソフトと、スクリブナー(Scrivener)という長文を書くためのソフトです。

エンドノートは、本や論文、新聞記事、ウェブサイトなどを管理するカタログのようなもので、文献をあらかじめ登録しておくと、文献の検索、論文を書くときの文献の引用、参考文献リストの作成がスムーズにできます。文書を添付することもできるので、PDFの論文はほぼすべてエンドノートに保存しています。私は博士課程を始めた2010年から使っていますが、最近文献の数が600を越えました。全て読んだわけではなく、とりあえず登録しておこうという程度の文献もたくさんあります。関心のある本や論文というのは限りないものなので、エンドノートの文献は今度ひたすら増える一方なんだろうなぁと思います。

スクリブナーは、博士論文や小説など長い文章を書く人向けの文書管理ソフトです。もともとMac用のソフトだったのですが、Windows用も出てきました。スクリブナーを使って博士論文を書いた友人が、スクリブナーがなかったら、論文を書き終えるのに数か月余計にかかっていたと思う、と言って絶賛していたので、私もためしに買ってみました。まだ全ての機能を把握していないのですが、確かに文の全体像が一目でわかり、章と章の間を簡単に行ったり来たりできます。私も博士論文はスクリブナーを使って書くことにしました。

研究などでたくさんの文献を扱う方には、エンドノートやそれに類似した文献ソフトは是非おすすめしたいと思いますが、スクリブナーはまだわかりません。まぁスクリブナーの文章はワードに出力することができるので、使い勝手が悪かったら、ワードに戻ればよいのですが。

ということで、私は今月1日からやっと博士論文を書き始めたのですが、毎日スクリブナーとエンドノートを開いて作業しています。どちらもバックアップをしっかりしなくては。。

2012年7月14日土曜日

エセックス大学

今週と来週、エセックス大学の社会科学データ分析のサマースクール(Essex Summer School in Social Science Data Analysis)に参加しています。エセックス大学はロンドンから北東に電車で1時間行ったところにあるコルチェスター(Colchester)という街の近くにあります。私の通っているサセックス大学とは名前も似ていますが(サセックスとエセックスの名前の由来については以前ブログに書きました)、どちらもロンドンからの距離が同じくらいで、1960年代前半に設立されていて、キャンパスの雰囲気も似ています。

今年で45回目となるこのサマースクールには、社会科学の調査・分析手法に関する幅広いコースがあって、私は「サーベイ・データ分析(Survey Data Analysis)」を履修しています。なぜこのコースにしたかというと、アフロバロメーター・サーベイの結果を分析する方法を学ぶためです。以前ブログに書きましたが、1年前にタンザニアのアフロバロメーターへの追加質問のプロポーザルを作って、タンザニアの実施機関に提出しました。その後、いろいろな過程を経て、全てではないのですが、いくつかの質問が採用されました。サーベイは先月から今月にかけて実施され、現在データ入力が行われているところです。近いうちに結果がアフロバロメーターのウェブサイトに掲載されます。私はこの最新のサーベイと、過去に行われたサーベイもあわせて見ています。

私の研究では、タンザニアの国会議員と有権者の関係について調べていて、国会議員には直接インタビューしましたが、一般市民にはインタビューはしませんでした。特定の地域を選んで、そこに住んでいる人たちにインタビューするという方法もありましたが、私は国会議員に会うことを優先したので、結果的に一般市民にインタビューするリソース(お金と時間)はありませんでした。代わりに既存のアフロバロメーターを使って、有権者が国会議員に対してどういう役割を期待しているか、選挙の際にどのくらい買票行為が行われているか、有権者は買票行為をどうとらえているか、などを調べています。

コースでは、統計学と統計ソフトSTATAの使い方を学んでいます。統計学は10年以上前に学部で学んで以来ですが、今のところ楽しく授業を受けています。実際に分析したいデータがあるからより関心が高いということもありますが、先生の説明が非常にわかりやすいからだと思います。

サマースクールにはいろいろな国の参加者がいて、インターナショナルです。ヨーロッパからの参加者が多いですが、日本やアメリカから来ている人もいます。そして、何とタンザニア人が4人も参加しています。モロゴロ(ダルとドドマの中間にある街)にあるムズンベ大学(Mzumbe University)の先生方で、今はオランダの大学の博士課程に在籍しています。よく一緒に行動していますが、スワヒリ語で話していると、つかの間タンザニアに戻ったような気分になります。

2012年6月28日木曜日

ラグー・ディクシット

日曜に、ブライトンドームで開かれたラグー・ディクシット(Raghu Dixit)のコンサートに行ってきました。ラグーはインドのフォーク・ミュージシャンです。私は友達から彼の「I'm in Mumbai Waiting for a Miracle(ムンバイで奇跡を待っている)」という歌を教えてもらって、一度聴いたらはまってしまいました。この曲を聴くと、ポジティブなパワーが感じられて、気分が上がります。

コンサートではこの曲は演奏されませんでしたが、もうひとつの好きな曲「No Man Will Ever Love You, Like I Do(僕ほどあなたを愛する人は現れない)」は演奏されました。包み込むような声がホールに響いて感動しました。ブライトンドームは着席式のきちんとしたホールですが、ラグーが途中で、「座って聴かれると、宣教師になったような気がする」と言ってお客さんにも立つよう促したので、立って踊る人が出てきました。私も友人と一緒に通路に出て踊って、最後の曲ではぴょんぴょんはねていました。

彼のバンドの演奏のあと、イギリスのフォークロックバンドが演奏したのですが、その間の休憩時間に、ホールの外のCD売り場でラグーがCDにサインするというので、私もCDを買って、列に並んでサインをもらってきました。写真はそのCDです。「Stay beautiful(美しいままでいて)!」というメッセージが書かれていて、女性のお客さんにはそう書いているのかなと思いましたが、彼のプロモーション・ビデオによると、全ての人の人生を美しくしたい、失敗しても人生は美しいものだという思いがあるようです。いいですね。

コンサートは、サッカーのイングランド対イタリアの試合と同じ時間帯だったせいか、お客さんが少なかったのですが、おかげであまり待たずにサインがもらえて良かったです。

2012年6月22日金曜日

エジンバラ大学

今月初旬、スコットランドのエジンバラに行ってきました。エジンバラ大学アフリカ研究センターの50周年記念の学会で発表させていただいたのです。学会にはこれまで何度か行ったことがありますが、発表するのは今回が初めてでした。

 4月に一時帰国して、5月頭にブライトンに戻ってきたあと、もくもくと論文の準備をしていました。これまで何度も論文を書いているのに、やっぱり苦労しました。ぎりぎりでペーパーが仕上がり、発表するときに使うパワーポイントはエジンバラ大学に着いてから作りました。学会の3日目の発表だったので、準備する時間があってよかったです。

私が発表したのは「政党、議会、地方政治(Parties, Legislatures and Local Politics)」というパネルで、20人くらい参加者が来ていました(右上の写真が私のパネルの会場だったのですが、歴史のある建物でした)。発表はスムーズにいき、他のパネリストや参加者から質問やコメントをいただき、私の研究がどんなふうに受け止められるのかという反応がわかってよかったです。

実は日本の学部の頃のゼミの先生が奥様と一緒にいらっしゃっていて、私の発表にも来てくださいました。先生は以前、エジンバラ大学アフリカ研究センターで教えていらっしゃったことがあるのです。卒業したあともずっとお世話になっている先生にエジンバラでお会いできて嬉しかったです。

さらに、エジンバラ大学は私にとって特別な大学です。というのは、タンザニアのジュリアス・ニェレレ初代大統領が学んだ大学なのです。確かタンザニア人(当時はタンガニーカ人)で初めて海外で修士号をとったのがニェレレ大統領です。発表用の論文を書いていて行き詰った時、「ムワリムの学んだ大学でタンザニアについて話すんだから、がんばらなくちゃ」と自分を励ましていました(ムワリム(mwalimu)というのはスワヒリ語で先生のことで、タンザニアではニェレレ大統領は、ムワリム・ニェレレ、あるいは単にムワリムとも呼ばれています。)

学会が終わった翌日、アフリカ研究センターで研究されている日本人の方々に、エジンバラの街やキャンパスを案内していただきました。アフリカ研究センターの入り口にあるムワリムの記念プレートの写真も撮りました。(Aさん、Yさん、ご案内いただき、ありがとうございました!) 

ゼミの先生と奥様、その他いろいろな方々にお会いでき、ムワリムの足跡も追うことができて、思い出に残る学会デビューとなりました。

2012年5月12日土曜日

イギリス議会

ブライトンでは、今ブライトン・フェスティバルが開かれています。毎年5月に開催される劇、音楽、アートなどの総合的なフェスティバルです。イギリスとタンザニアと日本を行ったり来たりしている私ですが、毎年この時期はブライトンにいるので、今回で4回目です・・と言っても実はあまりフェスティバルのイベントに行ったことがないのです。同時に開かれているブライトン・フリンジというサブのフェスティバルの方には何度か行ったことがありますが。

さて、イギリスでは9日、エリザベス女王による新年度の国会開会演説が行われました。初めて演説の映像を見たのですが、さすがイギリス、一連の儀式が興味深かったです。女王の国会演説についてはイギリスの航空会社ヴァージン・アトランティックのブログにいろいろ書いてあります。なるほど・・。

そのあと、近くにリンクのあった議会での首相への質問も見てみました(4月25日4月18日)。イギリスの下院では、毎週水曜に30分間首相への質問の時間があります。最初は与党議員からの質問、そのあと野党議員からの質問になりますが、野党側からは最初に野党のリーダーが質問するのが慣習となっています(これはタンザニアも一緒です)。また野党リーダーだけは何度も質問してよいようです。ということで、労働党のミリバンド党首からの質問、キャメロン首相の答弁がしばらく続きます。ミリバンド党首の質問は、4月25日は景気後退、News of the World紙の電話ハッキングに関する調査、4月18日は減税、年金などについてでしたが、二人の白熱した討論(特に18日)、イェーという議員の野次、国会議長が二人を交互に呼ぶ声、そもそも議員がきゅうきゅうに詰めて座っている様子など、面白いので見てみてください。先月、ウェストミンスターに少し入る機会がありましたが、一度、国会の傍聴にも行ってみたいです。

2012年4月7日土曜日

学びの海

ダル・ジャーナルに書いたとおり、3月中旬にブライトンに戻ってきました。調査に行く前と同じ家に戻ってきたこともあり、わりとすぐに生活は落ち着きました。ただ予想通り、真夏のダルエスサラームから来たので、ブライトンの春は私にとってはとても寒いです。

ブライトンに戻ってきてから、タンザニアから持ってきた本や書類を整理しながら、博士論文の構成について考えています。博士論文を書いている最中の友人、あるいは書き終わった友人の話を聞いていると、書いている間に構成はどんどん変わっていくようです。ひとつの章がふたつに分かれたり、別々の章を一緒にしたり。

昨年、博士論文を提出したスペイン人の友達Aは、構成を相当練ってから書き始めて、結果的に文章の修正にあまり時間がかからなかったそうです。Aはかなり優秀なので、誰でも同じようにできるわけではありませんが、私も見習って、構成をじっくり考えて、枠組みから固めていこうかなと思っています。

因みにスワヒリ語で、博士号は「shahada ya juu(シャハダ・ヤ・ジュー=上の学位という意味)」、あるいは「shahada ya uzamivu(シャハダ・ヤ・ウザミヴ)」というのですが、uzamivuという言葉は「沈む」という意味のzama(ザマ)という動詞から来ているそうです。私の中では博士課程というと、shahada ya juuのように、上に上がっていくイメージだったので、初めて聞いたときは驚きました。でも、底を目指して奥深くまで潜っていく、追究するという意味が含まれているようです。学びの海を潜るということですね。私も構成を決めたら、あとは潜るのみです。どこまで行けるかわかりませんが、じっくり深く潜っていくのが楽しみです。

写真は、ロンドンのウェストミンスター(国会議事堂)です。先日初めて中を少し覗いてきました。