2010年6月25日金曜日

手書き

私が尊敬するデザイナーのヨーガン・レールさんは著書の中で、手仕事の速度が、理想とする速度だとおっしゃっています。手で作業する速度が自然の速度であって、手仕事による環境破壊は自然の自己回復力の中におさまるけれど、機械生産の速度による環境破壊は自然の均衡を崩して、回復できなくなるのではないかと。

そこで私も手書きの速度が、思考する上での理想の速度なのではないかと思い、今日から勉強する際にパソコンに向かってタイプするのではなく、紙に書いて考えることにしました。以前から論文の構想を練るときは、ノートにいろいろなアイディアを書きながら考えていますが、ここ数日、片面プリントアウトして要らなくなった紙がたくさん出てきたので、今日は大学のカフェで、その紙の裏に読んでいる本の要点やコメント、図などを書いたりしてみました。

パソコンの方が早く文章が書けますし、紙に書いた場合、あとで大事なところをパソコンでタイプしなおすので、二度手間になりますが、やっぱり手書きの方が、読んでいる文章がしっかり理解できて、それに対して自分がどう考えているのか確認しながら進められる気がします。矢印や絵や図も思いついたらすぐ書けますし。手が疲れて字が荒くなってきた頃には、きっと脳も疲れているだろうから、ひとやすみ。パソコンでタイプしていると、脳が疲れても気づきにくいので・・。それに、自分の字が好きなのでよかったです。子どもの頃にペン習字を習わせてくれた(当時はいやいや練習していたような気がするけど)母に感謝。

2010年6月7日月曜日

とび箱

今朝バスに乗っているとき、突然、小学生の頃のとび箱を思い出しました。何年生だったか忘れましたが、ある日の体育の時間に、クラス全員でとび箱4段をとぼう、ということになったのです。私は運動神経のいい男の子たちが6段や7段をひらりととぶのを見るのは好きでしたが、自分自身はとび箱は苦手だったので、そのときはクラスで最後の1人になってしまったのでした。とび箱の向こう側で、先生とすでに跳び終えたクラス全員が応援してくれる中、何度もトライするのはとても大きなプレッシャーでした。やっと、お尻をちょっとひっかけたけど跳ぶことができて、クラス全員がわーっと駆け寄ってきたとき、私は泣いてしまったのでした。跳べたことが嬉しかったのではなくて、惨めな気持ちになったからです。とび箱でも何でもいいのですが、クラスで一番最後になる経験をした方は、こういう子どもの頃の自尊心とか、泣かないようにぐっと我慢するときの気持ちとか、きっとわかると思います。あの時のプレッシャーに比べれば、先生方の前で行う博士課程の研究計画発表なんて全然大したことないです(笑)。

2010年6月1日火曜日

小雨

6月になりました。早いです。バスの中で手帳を眺めていて、今月は毎週何かしら締め切りのある月だということに気づきました。頑張ります。ブライトンは今日は小雨が降っていて寒かったです。Yちゃんと外を歩いていて、「この天気、冬だよね」と2人で嘆いていました。

さて、毎日メールで送られてくる開発学研究所(IDS)のメディア・ブリーフ(開発に関する新聞記事のリンクを集めたもの)の冒頭に、緑の党(Green Party)のキャロライン・ルーカス(Caroline Lucas)議員が、議会での初演説でIDSに言及した、という記事が紹介されていました。先日ブログに書きましたが、ルーカス議員は、ブライトンのパビリオン選挙区から選ばれた緑の党の党首です。IDSのウェブ上の記事演説全文を見てみました。演説ではブライトンの様々な特徴が述べられていますが、確かにIDSも言及されていて興味深いです。他の部分もざっと読みましたが、政党から唯一選ばれた議員(a single MP)でもいろいろなことができるという点を強調していました。最近、議会政治に関する本ばかり読んでいることもあり、小さな政党の議員と選挙区の関係についてちょっと考えてしまいました。うーん、他のことも考えよう。。

2010年5月25日火曜日

初夏

ブライトンは、先週からすっかり初夏の気候になりました。イギリス人の夏服への切り替えは早くて、すでにタンクトップ、ショートパンツ、ミニスカート、サンダル・・という格好の人たちも。私はイギリスのお天気には懐疑的なので、きっとまた寒くなると思いつつ、恐る恐る数少ない夏服に切り替えて、ずっと冬のブーツを履いていたので、サンダル、サンダル・・と探してみましたが、みんなが履いているような夏物のサンダルはないのでした。とりあえずブーツはしまいましたが、夏物を買いに行かなくては。

写真はブライトンではなく、母が実家で育てているバラです。他にも、いろいろな種類のバラが咲いているようです。このバラを見たら、星の王子さまを思い出しました。バラに「朝のお食事の時刻ですわね。あたくしにも何かいただかせてくださいませんの」と言われて、王子さまがお水をあげたところのようです。

2010年5月8日土曜日

選挙

先週から近所の小さな公民館で行われているヨガのクラスに通い始めたのですが、金曜はそこが総選挙の投票所になっていました。今住んでいる家の家主が、投票しに行く際に誘ってくれて、投票所(その公民館)まで着いていきました。イギリスで投票所の様子を見ることができるとは思っていなかったので、家主に感謝です。

中に入ると、いつもヨガが行われている1階の大部屋が投票所でした。受付の際に、住んでいる通りによって2つの列に分かれるのですが、その仕切りがダンボールと椅子で、表示はマジックの手書き、投票箱も(遠くからしか見ていませんが)年季が入っているようで、全体的に日本の投票所よりもアットホームな雰囲気でした。

そして、選挙結果が出ましたが、ブライトンのパビリオン選挙区(ロイヤル・パビリオンの周辺)からはイギリス総選挙で初めて緑の党(Green Party)の候補者が選ばれました。ガーディアン紙のウェブサイトの選挙結果マップをご覧いただくと、南東部の海沿いにひとつ緑のところがありますが、それがブライトン・パビリオン選挙区です。緑の党は、自然環境保護をまず第一に訴えている党です。自然に優しい生活スタイルが好きな人たちの多いブライトンのアイデンティティの表れのようで興味深いです。

2010年4月28日水曜日

心理学セミナー

昨日、大学で開かれた心理学の公開セミナーに出てみました。タイトルは「紅茶を淹れるのは簡単ではない(Making tea is not a piece of cake)」で、人が日常生活を営むために必要な記憶がテーマでした。なぜこのセミナーに出たかと言うと、もちろん内容に興味を持ったからですが、最初にタイトルにひかれたからです・・(「piece of cake」は「簡単な」という意味ですが、紅茶とケーキという言葉からイギリスの紅茶やお菓子についてのセミナーかと思ったのです)。

内容は、講演した先生が取り組んでいる3つの研究プロジェクトの紹介で、そのうちのひとつは、認知症によって、紅茶を淹れるという作業がどんなふうに忘れられていくのかという研究でした。紅茶を例にしているところがイギリスらしいです。数年にわたって観察したところ、認知症の人には、紅茶を淹れるのにあまり重要ではない作業(例えば砂糖を加えること)から忘れていき、不可欠な作業(例えばお湯を沸かすこと)は最後まで覚えている傾向があることがわかったそうです。

また、ある被験者の映像を見たのですが、その人は紅茶を淹れたあと、砂糖を加えるところまでは完璧なのですが、最後にミルクを入れるという作業を忘れてしまっているため、砂糖を加えてかきまぜる作業を延々と繰り返していました。ただし、スプーンを正しく使ってかきまぜること、砂糖の容器のふたを閉めること・・など、ひとつひとつの作業はきちんと行われていました。問題はそれらをうまくつなげる記憶が欠けてしまったことでした。これは事故などで脳に障害を負った人たちの記憶の失われ方とは異なるようです。

公開セミナーだったせいか、説明がわかりやすく、専門用語を知らなくてもだいたい内容がわかりました。それに、全く違う分野の研究について聴くと、自分の研究についても、いったん距離をおいて、客観的に見られるような気もします。せっかくいろいろな分野の研究が行われている大学にいるので、また他のセミナーにも出てみたいと思います。

2010年4月26日月曜日

ウォーキング

昨日、IDSのガバナンス・チームのM先生が企画したサウス・ダウンズ(South Downs)のウォーキングに参加してきました。ブライトンの東にあるシーフォード駅(Seaford Station)に集合して、海沿いの丘陵を歩き、途中セブン・シスターズのあたりで内陸の方に北上して、アルフリストン(Alfriston)という小さな村まで行きました。そこでクリーム・ティー(イギリスの伝統的な紅茶とスコーンのセット)をして、バスでブライトンまで帰ってきました。計11キロくらい。M先生と何人かはさらに歩き続けていましたが・・。

2008年11月にもM先生のウォーキングに参加したのですが、そのときは上り下りの連続でみんなについていくのが大変で、途中で雨が降ったこともあり、帰ってきてから風邪をひきましたが、今回は平らな道が多かったので、最後まで気持ちよく歩くことができました。

左上の写真は、セブン・シスターズです。この角度からセブン・シスターズを見たのは初めてでしたが、靄がかかっていて、ちょっと幻想的でした。暖かくなったので、また是非ウォーキングに行きたいと思います。