2014年1月21日火曜日

書くこと

それにしても論文を書く過程は長かったです。同じIDSの博士課程に、いったん書く内容が決まったら1週間くらいで一章分のドラフトが書けると言う友人がいてうらやましかったです。内容を固めるのに時間をかけてから、一気に書き上げるそうです。それから、この友人は一番文章がすらすら書けるのは二日酔いの朝だと言っていました。ぼんやりした頭で細かいことは気にせずにシンプルに考えられるので良いそうです。私はお酒を飲まないので実践できませんが・・。

私も以前ブログに書いた通り、じっくり練ってから書こうと思っていましたが、書いてから考えがまとまるということもあるので、とりあえず書いてみようという時もありました。このとりあえず書いてみようの段階で、たくさんエネルギーを使ってしまうと、そのあと不要な部分が出てきた時に捨てられなくなってしまいます。料理で言うと、何をどのくらい調理するかはっきりわからないうちに、はりきって玉ねぎのみじん切りをたくさん作ってしまって、あとから実は少ししかいらなかったという感じです。文章も玉ねぎも使わないことになっても他のものに使えたりするので無駄ではないのですが、切りすぎた玉ねぎのみじん切りが冷蔵庫にたまっていくように、切り取られた文章がフォルダにたまっていきました。

もう今は引退されたIDSのガバナンス・チームの先生とおしゃべりしていたとき、論文を書くスピードが遅いんです・・と言ったら、「私も今でも論文は簡単には書けないわよ。最近も1つ書いたものをすべて没にしたのよ」とおっしゃっていました。没にするという表現は、今も使われているのでしょうか?先生は「I killed the draft(原稿を殺した)」とおっしゃっていたので、印象に残っているのですが。経験を積むことで早くできるようになる部分もある一方で、論文を書くときの苦労はずっとついてまわるんだなと思って、あきらめたというか、ちょっと気が楽になりました。

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