2014年1月23日木曜日

ソフトウェア②

以前ブログに、私が論文を書く時に使っているソフトウェア、エンドノート(Endnote)とスクリブナー(Scrivener)について書きましたが、その後の報告です。予想通りエンドノートの文献数は増え続けて1,000を超え、自分だけのミニ図書館のようになっています。博士論文で文献を引用する際の使い心地も良かったのですが、唯一、Word上で、エンドノートにリンクされている文献の引用箇所を含む文章を、他の場所にカットアンドペーストで移動するときに、Wordとエンドノートがともにフリーズしてしまうことがよくあって、そのたびに両方とも再起動しなければならなかったのがちょっと面倒でした。エンドノートは新しいバージョンが出ているので、そちらだったら改善されているのかもしれませんが、友人が最新のエンドノードはどこか使いにくいようなことも言っていたので、まぁ今使っているバージョン5でも十分だと思っています。

それから、スクリブナーですが、途中まで使っていたのですが、数ヶ月前にWordに移行しました。移行した一番の理由は、スクリブナーはテキスト形式なので、ほとんど図表を入れることができないこと、フォントや行間などのフォーマットをある程度までしか整えることができないこと、それから(最後の理由はそこまで気になりませんでしたが)指導教官からWordでコメントをもらったときにそれを逐一スクリブナーに書き写さないといけないことでした。図表はWordやExcel、PowerPointなどで別途作成しておいたのですが、例えば指導教官に書き終えた章を送るときなどに、スクリブナーからWord形式で出力して、そこに図表を加えてフォーマットを整えて・・という作業をやらなければならず、それに時間がとられてしまったのです。また私は形から入る、というか、早めにフォーマットを整えておきたい方なので、Word形式で出力したあとに毎回フォーマットを整えなければいけないのはちょっと苦手でした。

博士論文の途中まではスクリブナーを使っていたので、使わなかった場合と比べられないのですが、スクリブナーの利点である、簡単に章と章の間を行ったり来たり文章を移動したりできるというのは良かったと思います。ただ、簡単に行き来できるため、すべての章が書きかけのままの状態が長く続いてしまったような気もします。でもやはり何よりも、図表を入れられないことと、フォーマットをある程度までしか整えることができない、別の言い方とすると、Wordに出力しない限り最終的な形を見ることができないことを不便に感じたので、私の場合は博士論文のような長い文章でもWordの方が向いているのかもしれません。

2014年1月21日火曜日

書くこと

それにしても論文を書く過程は長かったです。同じIDSの博士課程に、いったん書く内容が決まったら1週間くらいで一章分のドラフトが書けると言う友人がいてうらやましかったです。内容を固めるのに時間をかけてから、一気に書き上げるそうです。それから、この友人は一番文章がすらすら書けるのは二日酔いの朝だと言っていました。ぼんやりした頭で細かいことは気にせずにシンプルに考えられるので良いそうです。私はお酒を飲まないので実践できませんが・・。

私も以前ブログに書いた通り、じっくり練ってから書こうと思っていましたが、書いてから考えがまとまるということもあるので、とりあえず書いてみようという時もありました。このとりあえず書いてみようの段階で、たくさんエネルギーを使ってしまうと、そのあと不要な部分が出てきた時に捨てられなくなってしまいます。料理で言うと、何をどのくらい調理するかはっきりわからないうちに、はりきって玉ねぎのみじん切りをたくさん作ってしまって、あとから実は少ししかいらなかったという感じです。文章も玉ねぎも使わないことになっても他のものに使えたりするので無駄ではないのですが、切りすぎた玉ねぎのみじん切りが冷蔵庫にたまっていくように、切り取られた文章がフォルダにたまっていきました。

もう今は引退されたIDSのガバナンス・チームの先生とおしゃべりしていたとき、論文を書くスピードが遅いんです・・と言ったら、「私も今でも論文は簡単には書けないわよ。最近も1つ書いたものをすべて没にしたのよ」とおっしゃっていました。没にするという表現は、今も使われているのでしょうか?先生は「I killed the draft(原稿を殺した)」とおっしゃっていたので、印象に残っているのですが。経験を積むことで早くできるようになる部分もある一方で、論文を書くときの苦労はずっとついてまわるんだなと思って、あきらめたというか、ちょっと気が楽になりました。

2014年1月18日土曜日

論文提出

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。いかがお過ごしでしょうか。

今週水曜、博士論文を大学に提出しました。年末年始もずっと論文漬けの毎日で、特に最後の追い込みは脳の持続力勝負のような状況で大変でしたが、やっと終わってほっとしています。3月中旬にViva(ラテン語のViva Vocaの略)と呼ばれる口答試験がありますが、とりあえず少しゆっくりしようと思っていますので、ブログももう少し頻繁に書きたいと思います。

論文の仕上げの最後の段階で、指導教官からコメントをもらって、結論の章を書き直さないといけなかったのですが、その時点で書き直すための自信も気力も残っていませんでした。そこで、自分がこれまで書いてきたものを見たら少しはやる気が出るかなと思って、このブログを見てみました。ブログの内容は論文には関係なく、日々の出来事が中心ですが、一応読んでいる人に何かを伝えようとして書かれています。それで、誰かに読んでもらう文章は、相手にどんなストーリーを伝えたいかが大事なんだということを思い出して、他の章を読まなくても、結論の章だけでひとつのまとまりになるように気持ちをこめて書き直したら、何とか形になり、指導教官からもOKが出ました。ということで、最後はこのブログに励まされて論文を書き終えた感じです。