今週と来週、エセックス大学の社会科学データ分析のサマースクール(Essex Summer School in Social Science Data Analysis)に参加しています。エセックス大学はロンドンから北東に電車で1時間行ったところにあるコルチェスター(Colchester)という街の近くにあります。私の通っているサセックス大学とは名前も似ていますが(サセックスとエセックスの名前の由来については以前ブログに書きました)、どちらもロンドンからの距離が同じくらいで、1960年代前半に設立されていて、キャンパスの雰囲気も似ています。
今年で45回目となるこのサマースクールには、社会科学の調査・分析手法に関する幅広いコースがあって、私は「サーベイ・データ分析(Survey Data Analysis)」を履修しています。なぜこのコースにしたかというと、アフロバロメーター・サーベイの結果を分析する方法を学ぶためです。以前ブログに書きましたが、1年前にタンザニアのアフロバロメーターへの追加質問のプロポーザルを作って、タンザニアの実施機関に提出しました。その後、いろいろな過程を経て、全てではないのですが、いくつかの質問が採用されました。サーベイは先月から今月にかけて実施され、現在データ入力が行われているところです。近いうちに結果がアフロバロメーターのウェブサイトに掲載されます。私はこの最新のサーベイと、過去に行われたサーベイもあわせて見ています。
私の研究では、タンザニアの国会議員と有権者の関係について調べていて、国会議員には直接インタビューしましたが、一般市民にはインタビューはしませんでした。特定の地域を選んで、そこに住んでいる人たちにインタビューするという方法もありましたが、私は国会議員に会うことを優先したので、結果的に一般市民にインタビューするリソース(お金と時間)はありませんでした。代わりに既存のアフロバロメーターを使って、有権者が国会議員に対してどういう役割を期待しているか、選挙の際にどのくらい買票行為が行われているか、有権者は買票行為をどうとらえているか、などを調べています。
コースでは、統計学と統計ソフトSTATAの使い方を学んでいます。統計学は10年以上前に学部で学んで以来ですが、今のところ楽しく授業を受けています。実際に分析したいデータがあるからより関心が高いということもありますが、先生の説明が非常にわかりやすいからだと思います。
サマースクールにはいろいろな国の参加者がいて、インターナショナルです。ヨーロッパからの参加者が多いですが、日本やアメリカから来ている人もいます。そして、何とタンザニア人が4人も参加しています。モロゴロ(ダルとドドマの中間にある街)にあるムズンベ大学(Mzumbe University)の先生方で、今はオランダの大学の博士課程に在籍しています。よく一緒に行動していますが、スワヒリ語で話していると、つかの間タンザニアに戻ったような気分になります。