2013年6月22日土曜日

留学

「勉強できる機会なんてそんなに巡ってこないので、死に物狂いでやってみてください。この留学如何で自分の人生が決まるというぐらいの気迫でやってみてください。勉強ははくをつけるためのものではなく、社会に奉仕するためのものですから、大いに頑張ってください。」

5年前にイギリスに留学する時に、前の上司からいただいた言葉です。読むたびに気が引き締まります。ここまできたのだから、あと少しがんばれ!

2013年5月27日月曜日

アフリカ共同訪問

前回ブログを書いてから時間が経ってしまいましたが、ブライトンも長い冬の時代が終わり、春になりました。会話やメールでよく「Enjoy the sunshine !」というフレーズが使われます。ただ、晴れたり曇ったり雨が降ったりと不安定なところがイギリスらしいです。

今月中旬、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁と潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、アフリカの大湖地域を共同訪問されました。その写真を見て、世銀と国連のトップがともに韓国人・韓国系というのはすごいなと改めて思いました。そして、たまたまそういう写真が多いのかもしれませんが、お二人の仲の良さそうな雰囲気が出ています。お二人だけでお話しされる時は韓国語なのかな。。

以下のサイトに写真が載っています。
'Jim Kim Visits Africa’s Great Lakes region'


2013年4月6日土曜日

貧しいけれど幸せ?

ブライトンは4月に入ってからも、くもりと雨と雪の寒い日が続いています。白い魔女に統治されて何百年も冬の時代の続いたナルニア国みたいだと思って、まわりの人たちに「イギリスにはもう春は来ないんだと思う」と言っています。今日は久しぶりに晴れているので、少し春が近づいているような気もしますが。

さて、世銀のブログに「貧しいけれど幸せ?(Poor but happy?)」という記事が掲載されているので、ご紹介します。途上国の人たちは貧しいけれど、実は先進国の人たちより幸せなのではないか?という時々出てくる問いについての記事です。例えばブータンは幸福度が高い国として知られていますが、サハラ以南アフリカの国々はどうでしょうか。

この記事の図表2(Figure 2)によると、アフリカの国の間にもばらつきがあるようです。この図では、縦の軸が幸せの度合い、横の軸は貧しさの度合いを示しています。左上にあるのが貧しい人が少なくて、幸福度の高い国々。右下にあるのが、貧しい人が多くて、幸福度の低い国々。平均すると、若干、貧しさと幸せには負の相関関係(裕福な方が幸せ)がありますが、これに当てはまらない国もたくさんあります。例えばマラウィは貧しい人が多いけれど、アフリカで一番幸せな国です。逆にカメルーンは貧しい人が少ないのに、幸せの度合いは低いです。

マラウィと言えば、昨日IDSで英国国際開発省(DFID)のガバナンス・アドバイザーによる講演がありましたが、その際にイギリスの援助と外交政策の関連性の話になって、援助が外交戦略と直接関係している国の事例としてパキスタン、その逆の事例としてマラウィが挙げられました。

DFIDは3年前に援助のレビューを行い、重点支援国を28か国に絞りましたが、その中にもアフガニスタンやパキスタンのように対テロリズムなどの外交や経済的な国益と結びついている国々と、マラウィなど、外交・経済的な利益よりも、貧困削減の成果を出すことを目的にしている国々があります(もちろん広くとらえれば、貧困削減も外交目的に入りますが)。

また、同アドバイザーが、DFIDは援助の効果を向上させるために、援助の評価に被援助国の一般の人たちの意見を取り入れるようになってきたとも言っていました。それを思い出して、もともと貧しくても幸福度が高い国だったら、人々は援助の効果についてもポジティブなんじゃないかな、だからマラウィも重点国にしたのかなぁと勘ぐって、他のアフリカの重点国17カ国も見てみたところ、確かに幸福度が高めの国が多いですが、必ずしもそうでもありません。むしろ単純に英語圏アフリカの多くの国が、イギリスの重点支援国になっているという気もします。

重点国の中で特に幸福度が低い国があります。タンザニアです。タンザニアは貧しい人が多くて、幸福度がとても低いです。マラウィとタンザニアは隣接していて、貧しいという点では共通しているのに、幸せの度合いが大きく違うので、興味深いです。

2013年3月28日木曜日

発表

今月は、タンザニア研究者ネットワーク英国開発学勉強会(IDDP)で発表する機会がありました。それぞれ発表時間は1時間で、どちらも新しくパワーポイントを作ったので準備に時間がかかりましたが、とても貴重な経験になりました。研究については、これまでダルエスサラーム大学エジンバラ大学IDS、今回のタンザニア研究者ネットワークで発表してきたので、だいぶ発表することに慣れました。何事も経験を積むことが大事ですね。
 
IDDPの勉強会はイギリスの主に修士課程に留学している日本人が対象です。私の研究だけだとマニアックなので、もう少しテーマを広げて、IDSのガバナンスと開発学修士課程の授業のような感じの内容にしてみました。アカウンタビリティの観点から、開発援助とタンザニア政治と課税について考えるということで、3つのトピックを取り上げたので、それぞれ浅くなってしまいましたが、アカウンタビリティ入門という目的は果たせたかなと思います。

指導教官からは「発表はもう十分経験を積んだから、論文に集中しなさい」と言われています。実際、博士論文は当初の予定よりだいぶ遅れているので、これからは論文執筆に集中しないといけません。今日スケジュールを見直しましたが、4月は勝負の月になりそうです。どうかいいブレイクスルーがありますように・・。

写真は、今月中旬に雪が降ったとき、一緒に住んでいるGが近所のクイーンズ・パーク(Queens Park)で撮ったものです。先週土曜のIDDP勉強会のときも雪が降りましたし、イギリスはまだまだ冬なのです。

2013年3月4日月曜日

扉と鍵

明後日、ロンドン大学で研究発表するので、最近はその準備をしています。その一環でタンザニア調査中のノートを読み返していて、スワヒリ語のことわざを見つけました。「すべての扉には、それぞれ合う鍵がある(Kila mlango kwa ufunguo wake)(英訳すると、Every door has its own key)」。

それぞれの問題には、それぞれの解決方法があるという意味で使うようです。私は調査中、これをインタビューにあてはめて、インタビュー相手から欲しい情報や本音を聞き出すためには、それぞれのインタビュー相手に合う鍵(アプローチの仕方や質問の内容、順番など)があると考えていました。特にエリート・インタビューを行う場合は、これがエッセンスだと思っていました。

実際、インタビュー相手から信頼されて、扉を開くようなインタビューを行うことができたこともありました。「あなただけに言うけれど(between you and me)」という前置きの後に、他の人に言わないような本音が聞けたときなどです。逆に、いろいろな鍵を試してみても、扉が開かなかったインタビューもありました。

今見ても、このことわざ、いいですね。問題解決という意味でも、人生の扉の鍵と考えてもいいですしね。でも、私にとっては人との関係という意味が一番しっくりくるような気がします。インタビューだけではなく、周りの人たち一人一人を大切にすることを思い出させてくれる言葉です。

2013年2月3日日曜日

緊縮財政に反対する女性たち

昨日、ブライトンで行われた'Voices against the Cuts: Women and Austerity'(予算削減に反対する声:女性と緊縮財政)というイベントに参加してきました。イギリスでは、政府が様々な福祉関連予算を削ってきているのですが、その影響を特に受けているのは女性や障害者などであるとのことで、ブライトンと隣町のホーブの女性たちが、Brighton and Hove Women against the Cuts(ブライトンとホーブの政府予算削減に反対する女性たち)というキャンペーンを行っていて、その一環で開かれたイベントです。
 
以前ブログに書いたブライトンから選出された緑の党(Green Party)の国会議員、キャロライン・ルーカス議員がスピーチをするとのことで、私はそれが聞きたくて、このイベントに行ってきました。ルーカス議員のスピーチは一番最後だったので、他の講演者のスピーチ、グループに分かれてのワークショップも含め、計4時間すべて参加しましたが、予算削減の低所得層の人たちへの影響や、女性たちによる地元のキャンペーンの様子が少しわかって勉強になりました。
 
ルーカス議員のスピーチは、さすがに国会議員だけあって、政府を徹底的に批判し、聴衆の心をつかむ良いスピーチでした。ルーカス議員からすると、政府に反対している女性たちは一番話しやすい、支持を得やすいグループだと思いますが、心をこめて真剣に取り組んでいる姿勢が伝わってきました。今後、ルーカス議員の他の活動についても見てみたいと思っています。

2013年1月17日木曜日

アフリカでの調査に関する本

2013年になりました。年末年始はいかがでしたか。私はクリスマスはブライトンで友人たちと過ごし、元日から先週土曜までインドに行ってきました。クリスマスもインド旅行も、勉強から離れてリフレッシュできました。今年は博士論文仕上げの年なので、引き続きがんばります。

インドについては近々書くことにして、休暇中に読んだ本をご紹介します。Susan Thomsonらが編集した『Emotional and Ethical Challenges for Field Research in Africa: The Story Behind the Findings(仮訳:アフリカでの現地調査における感情面と倫理面での課題:研究成果の裏にあるストーリー)』という昨年出版された本です。

コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンジ、北部ウガンダで、紛争や虐殺に関する調査を行った著者たちが、現地で直面したさまざまな問題について率直に書いています。調査内容が政治的にセンシティブであったり、危険と隣り合わせであることから常に緊張感があったり、どこまで踏み込んでいくかという問題が出てきたりします。著書のひとりは、現地政府から調査を監視され、インタビューした囚人たちのリストを提出するように言われますが、インタビュー相手に約束した守秘義務(confidentiality)を重んじて提出しなかったために、調査許可を無効にされていまいます。

また、紛争や虐殺の影響を受けている人たちから話を聞くため、さまざまな倫理的なジレンマに陥ります。たとえば、ルワンダで調査を行ったリサーチャーは、調査ノートに「時々、ここで自分が何をしているのかわからなくなる」と書いています。自分のキャリアのために、現地の人たちから情報を聞き出すことに疑問を感じ、自分が人の苦しみや悲しみの一覧表を作るだけの災害観光客(disaster tourist)になったような気がする、と。でも、このリサーチャーも他の著者も苦悩しながら、それぞれの課題に対処していく様子も書かれています。

私が自分の経験にも照らして、特に興味深いと思ったのは、インタビュー相手の嘘について書かれた第10章です。ブルンジで調査をおこなった著者は、嘘をつかれたということは相手の信頼を得られなかった証だから、調査がうまくいかなかったともとれるが、むしろ、なぜ相手が嘘をついたのかという理由を探して推察することで、現地の人々の置かれた状況がよりよく理解できると述べています。

タンザニアは紛争国ではありませんが、私の場合インタビュー相手が政治家だったこともあり、話が誇張されることがありました(政治家でなくても誰でも相手によって話を変えるということはありますが)。政治家と一緒に行動していて、彼らが相手と状況によって、どのくらい話を変えるか少しずつ見えてくるようになりました。インタビューで聞いた話のうち、どの部分をどのくらい引き算してとらえるかは、フォーマルなインタビューを1回行うだけではなかなかわかりません。フォーマルとインフォーマルの組み合わせと、場数が大事になってくるのだと思います。